- てん
- I
てん(連語)⇒ てむ(連語)IIてん【典】(1)儀式。 作法。
「華燭の~」
(2)原則。 きまり。「田園を開拓する者は賞与の~あり/日本風景論(重昂)」
(3)律令制で, 国司の主典(サカン)。IIIてん【奠】神仏などへの供え物。 供物(クモツ)。IVてん【店】接尾語的に用いて, …の店(ミセ), の意を表す。V「洋品~」「専門~」「特約~」「名古屋~」
てん【恬】平然としているさま。 多く「恬として」の形で用いる。→ てんとしてVIてん【滇】中国, 漢代に今の雲南省にあった国の名。 紀元前109年, 漢に降り, その統轄下に入った。VIIてん【点】※一※ (名)(1)筆やペンの先をちょっとつけて記したようなごく小さなしるし。「遠くの人が~のように見える」
(2)〔数〕 数学では幾何学の対象の一。 {(1)}を抽象化したもの。 幾何学基礎論では, 直線などとともに, 無定義用語として, 公理によって規定される。(3)書き物などに付ける小さいしるし。 (ア)文の句切りの符号。 普通「, 」を使う。 読点。 (イ)注意を喚起するために語句の横に打つしるし。 傍点。 (ウ)漢文を訓読するため, 字に付す記号。 返り点・乎古止(ヲコト)点など。(4)漢字の字画の一。 「犬」「凡」などの「ヽ」。 古くは, 漢字の字画全般をいった。(5)灸(キユウ)で, つぼの位置に墨で付したしるし。「~をおろす」
(6)評価を表す符号・数値など。 (ア)和歌・連歌・俳諧などで, 評価を示す符号。「 〇 」「ヽ」など。 また, 批評・添削。 (イ)答案などにつける評価の数値や符号。 「~が辛い」(ウ)スポーツ・ゲームなどの得点。 「~を取る」(エ)高く評価すること。 「おいらは~だぞ/黄表紙・孔子縞于時藍染」
(7)特に取り上げるべきところ。「その~については心配しなくてよい」
(8)漏刻(ロウコク)の時数。 また, 時刻。「御発句は寅(トラ)の一~/浄瑠璃・百日曾我」
※二※ (接尾)助数詞。 数を表す漢語に付く。(1)試合・勝負事, 試験の答案などの得点・評点を数えるのに用いる。「一~先取した」「百~の答案」
(2)品物の数を数えるのに用いる。「三~セット」「この五~を入賞とします」
~付(ツ)・く非難する。「この姫君の~・かれ給ふまじくと, よろづに思(オボ)しのたまふ/源氏(蛍)」
~を打・つ非難する。 欠点をいい立てる。「円満不可思議の御姿で何一つ点の打ち処も無いが/一隅より(晶子)」
~を掛・く和歌・俳諧などで, 評点を付ける。VIII「~・けて参らせし歌よりも/戴恩記」
てん【篆】漢字の書体の一。 篆書。IXてん【纏】〔仏〕 人の心にまといついて, 善に向かうのを妨げるもの。 煩悩(ボンノウ)。Xてん【貂・黄鼬】イタチ科の一種。 雄は頭胴長50センチメートルほど, 雌はやや小さい。 夏毛は栗色または暗褐色, 冬毛は橙黄色ないし暗褐色, 足の下部は常に黒色。 小動物や果実を食べる。 日本と朝鮮の特産で, 亜種のツシマテンは天然記念物。XIてん【転】(1)言葉の音が別の音にかわること。 「手に手に」が「てんでに」となる類。(2)「転句」に同じ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.